無名塾出演「国際平和映画フォーラム朗読劇ヒロシマ・ナガサキ」

2013年10月24日
 今、原爆資料館と追悼平和祈念館では国際平和映画フォーラムを開催しています。
残すところ26日(土)、27日(日)の二日間となりました。映画やトークセッションなど盛りだくさんです。今年は仲代達也さん主宰の無名塾の俳優さん(本郷弦、樋口泰子)を中心に朗読ボランテイアの皆さんが朗読劇「ヒロシマ・ナガサキ」を上演されます。二重被爆の山口彊さんをはじめとする被爆体験者の体験が語られます。非常に貴重な内容が溢れています。
また、アニメ「ひめゆり」映画「人間の條件」なども上映されます。詳しいプログラムは追悼平和祈念館のホームページでご確認ください。

是非お誘いあわせのうえ、ご来場ください。

被爆体験記

2013年9月20日
今、追悼平和祈念館では『長崎医科大学附属医院看護婦「私の被爆体験記」』と題した企画展を開催しています。本当にプチ展示会ですが、その内容は非常に素晴らしいものです。被爆後の混乱を生き抜いた、長崎医科大学附属医院の看護婦の実体験記なのです。病院はご承知の通り爆心地から700メーターの距離にあり、隣接の医科大ともどもほぼ壊滅したところです。生存された方々はその苦難をなかなか語ることなく68年の長きを生きてこられました。そのおひとり平節子さんは「青春時代はなかったですね。今が青春です。」と語っておられます。
 祈念館では4万人を超える方々の体験記を保管しています。今、朗読ボランティアの皆さんがそれら体験記の公開朗読に励んでおられますが、追悼平和祈念館が今年10年目にあたることを機会にもっと多くの人々に被爆者の体験に触れていただきたいと思い、朗読事業と並行して体験記を読んでいただく企画を始めました。この企画は一時的なものではなく恒常的に継続していきたいと思います。その第1歩としてのプチ企画展です。ぜひ多くの方のご来館を期待しています。

結界としてのシラカシの生垣

2013年9月2日
今年の夏はこれまでになく暑かったような気がします。地から湧いてくるような熱気に唖然としたくらいです。事務所が地下にあるので日に数回地上に出てみることにしていますが、その際には地上の水盤にのぼってみます。29mの円形の水盤に水が流れて周囲を白樫(シラカシ)の高生垣が周囲との境界を形成しています。白樫(シラカシ)は常緑樹なので目にも心にもいつも優しいのです。
 さて、「結界」という言葉があります。このシラカシの生垣は水盤と世俗を切り離すための「結界」の役目を担っているそうです。仏教用語では魔障が来ないようにするための一定の場所を限ることだとか。確かにこのシラカシの生垣がないと水盤の周りを巡りながら心に追悼の気持ちが芽生えていく過程が今より困難になるかもしれません。
 この追悼平和祈念館は建物の設計にいろいろと配慮がなされていますが、この「シラカシの生垣」も大きな役目を担っていると思います。緑は心を安らぎに誘うものです。被爆直後は緑なき世界であったがゆえにこの空間は重要な意味を持っていると思うのです。

涼空間

2013年8月14日
 今年の夏は特別に暑い。あまりの暑さに草花もすっかり首を垂れていますが、水撒きに外に出るのもおっくうになるような異常さを感じます。 68年前の夏を思い起こすとき、当時のじりじりと締め付けるような暑さが時空を超えて今も想像できます。
 今年、追悼平和祈念館の名簿棚には3,404人の新たな奉安者が加わり162,083人の方々の長崎原爆死没者のお名前を名簿に登載し、奉安することになりました。他に12人の広島原爆死没者のお名前も奉安しています。
 平和祈念式典前後からお盆にかけて、原爆死没者のご家族や関係者の方々が来館されます。相当な高齢者も多く見受けられますが、みなさん、暑い中、ここ平和の丘にのぼって来られます。静かに心で語る場として毎年訪れている方も多いようです。
 追悼平和祈念館の交流ラウンジは来館される皆様にしばしの涼感を感じていただいています。流れる滝の前に座り、ひと時を過ごしていただきたいと思い、今年は平和コンサートを開き、ボランティアによる二胡の演奏を楽しんでいただきました。静かに流れる静かな曲調は心に沁み込んできます。
 いまだ、厳暑が退く気配はありません。長崎の「涼空間」としての追悼平和祈念館ラウンジで社会の喧騒から逃れ、静かに心で語ってみてはいかがでしょうか。

追悼平和祈念館の役割は

2013年8月1日
追悼平和祈念館は平成15年7月6日、被爆者援護法第41条に基づき多くの原爆死没者の犠牲を銘記し、恒久平和を祈念するために建設された国立の施設であり、今年、開館10周年を迎えました。その設立目的は①死没者への追悼と世界平和を祈念する ②原爆に関する資料の収集と利用 ③国際協力と国際交流です。
原爆資料館と追悼平和祈念館はまさに一体となって併設されていますが、追悼平和祈念館の入場者は、原爆資料館の13から14%に過ぎず、各年の入館者はおよそ9万人を前後していました。より多くの人々が資料館と共に追悼空間を訪れて祈りを捧げていただきたいと考えていますが、いまだ観光客のみならず、市民の認知度は高いとは言えません。
しかしながら、昨年、今年と入館者は増加傾向にあり、昨年度は原爆資料館の入場者の15.2%になりました。これは追悼平和祈念館の実施する事業(映画フォーラム、朗読発表、核兵器廃絶市民講座、被爆者健康講話など)の開催や追悼空間での追悼集会の実施が大きく伸びている要因です。
そこで、今まで以上に「資料館で知り、祈念館で祈る」というコンセプトのもとにこの平和の丘にある両館が協力し相乗効果をもたらしながら、両館の一体化を進め、認知度が高まるように努めていかなければなりません。
考えるに、追悼平和祈念館は本当に価値ある素晴らしい空間を持った施設です。長崎において世界に平和を訴え祈る貴重な場所です。ここが市民を始め多くの方々不案内なのはなぜだろうか。「資料館で知り、祈念館で祈る」と言うコンセプトがいまだ浸透していないのでしょう。被爆の継承は過去の実相を認識することから始まり未来へしっかりと真実を伝えなければなりません。名簿に記された原爆死没者(158,754名、今年の8月9日には新たに約3,000余名のお名前を奉安予定)は、単なる戦争犠牲者ではない。核兵器と言う、人類そのものを完璧に抹消する悪魔の手段にさらされた方々なのです。核兵器は人道性を否定し、自然への無謀な挑戦に挑む絶対悪と言えます。
 ここ「平和の丘」にはそのことを無言のうちに知る、感じることができる何かがあります。原爆資料館を訪れた人は被爆の実相を知り、心を痛めます。その後、人々は祈念館の追悼空間で祈りを捧げることで自分の心に素直に問いかけ、亡くなられた多くの死没者に追悼の誠を示すのです。平和とは戦争をなくすだけではない。病貧争などの非平和をなくす気持ちが顕れる世界です。追悼平和祈念館は平和を強く意識する場所なのです。
 長崎は世界都市として飛躍し、世界に存在を示す「平和の発信もと」になることが課題であり使命でもと思います。

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