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ニュージーランドの長崎

2014年2月26日
  • オークランドの被爆クスノキ

    オークランドの被爆クスノキ

  • ウエリントン・ピースフレイム原爆の灯

    ウエリントン・ピースフレイム原爆の灯

 昨年、暮れ以来の館長だよりです。祈念館のネットワーク環境が不具合を生じたためにその修復のために「館長だより」を掲載することができませんでした。祈念館のホームページにアクセスをいただいた多くの皆様には申し訳なく思っています。3か月ほどの間にはいろいろとお話ししたいこともあったのです。たとえば、追悼平和祈念館の入館者が順調に伸びて、今年の1月末に年間(年度)10万人を超えました。実は開館以来、なかなか10万人の大台を超えることはなかったのでうれしい出来事でした。また、被爆者の体験記録の企画展「数行の憶い(おもい)」を開催することができました。これらは新聞などでご存知の方も多いと思います。そこで今日はまだ皆様にはお伝えしていないことを書きたいと思います。
 祈念館では毎年1か国で「海外原爆展」を開催しています。同時に被爆体験者の体験講話を原爆展開催国の数か所で開催してきました。今年度は南半球のニュージーランドのオークランドとウエリントンで開催し、多くの方に長崎、広島の被爆の実相を伝えてまいりました。ニュージーランドはご承知の通り核兵器廃絶のリーダー的役割を果たしている国で、昨年の10月21日第68回国連総会第1委員会「核兵器の人道的結果に関する共同声明」の提案国でした。それを受けて我が国もその声明に名を連ねたのです。その時の提案者はデル・ヒギー・ニュージーランド大使でした。(この方は外務省の代表として原爆展開会式に出席されました。)
 ニュージーランドでは核兵器廃絶を国の大きな政策指針としていることを背景に原爆展は昨年11月19日から12月12日までオークランド、今年1月24日から2月9日までウエリントンで開催いたしました。その両市に長崎の原爆を如実に示す記念すべき場所があったのです。ひとつはオークランド戦争博物館近くの「長崎被爆クスノキ」そしてひとつはウエリントン植物園の中の「広島長崎平和の灯(石燈籠の中で炎が灯っている)」でした。クスノキは伊藤市長が種子を送りオークランド市長がその苗を植樹し5mほどの樹高に成長していました。碑文にも「長崎」の名がしっかりと記されていました。また、平和の灯はウエリントン植物園内の和風庭園の滝の前にあり「ピースフレイム」として絶えることなく炎が揺らいでいました。この二つに遭遇でき、「長崎」が広島とともに平和を発信する使命を持った世界都市なのだなと思いました。本当に遠い旅でしたが、原爆展の開催、被爆者の方の体験講話に加えて素晴らしい経験をしました。まだまだ、長崎広島の被爆の実相を知らない人々は世界中にたくさんいます。我々長崎市民の果たす役目は終わりがないように思いました。

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