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結界としてのシラカシの生垣

2013年9月2日
今年の夏はこれまでになく暑かったような気がします。地から湧いてくるような熱気に唖然としたくらいです。事務所が地下にあるので日に数回地上に出てみることにしていますが、その際には地上の水盤にのぼってみます。29mの円形の水盤に水が流れて周囲を白樫(シラカシ)の高生垣が周囲との境界を形成しています。白樫(シラカシ)は常緑樹なので目にも心にもいつも優しいのです。
 さて、「結界」という言葉があります。このシラカシの生垣は水盤と世俗を切り離すための「結界」の役目を担っているそうです。仏教用語では魔障が来ないようにするための一定の場所を限ることだとか。確かにこのシラカシの生垣がないと水盤の周りを巡りながら心に追悼の気持ちが芽生えていく過程が今より困難になるかもしれません。
 この追悼平和祈念館は建物の設計にいろいろと配慮がなされていますが、この「シラカシの生垣」も大きな役目を担っていると思います。緑は心を安らぎに誘うものです。被爆直後は緑なき世界であったがゆえにこの空間は重要な意味を持っていると思うのです。

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