館長だより

スコットランド原爆展ガイド養成プログラム

2025/07/26

みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。

追悼祈念館が主要事業として取り組んでいる海外原爆展は、今年度は英国スターリング大学と協働して、スコットランドで10月6日からの開催を予定しています。

海外原爆展では、現地の学生にガイドを務めていただくこととしており、そのためのガイド養成研修プログラムに学生2名と指導教員1名を招聘いたしました。

また、この研修プログラムには、国際基督教大学のインターンシップ生3名にも参加していただきました。

今年度のプログラムは、スコットランド出身で日本の歴史に大きな足跡を残したトーマス・グラバー氏の関係史跡の見学から始めました。その後、原爆資料館や被爆遺構の見学を行い、被爆者の証言、被爆による健康障害、被爆写真の解説など、被爆の実相を理解するためのプログラムを受講していただきました。

5日間という限られた時間の中ではありますが、松本美都恵さんの英語での被爆体験講話、長崎大学原爆後障害医療研究所の高村教授及び平和推進協会写真資料調査部会の松田部会長による講義、さらには英語ガイドによる原爆資料館や被爆遺構の案内など、多くの方々のご協力を得て、充実したプログラムとすることができました。

また、国際基督教大学の学生たちが参加してくれたことで、学生間の意見交換や交流もできました。

研修に参加されているみなさんは、とても真摯に取り組み、積極的に質問をし、理解を高める努力をされていました。

また、研修の成果となる原爆展ガイドの発表では、「ヒロシマ・ナガサキに投下された原子爆弾の構造」「原爆による被害状況」など、それぞれが選んだテーマについて、研修生が説明を行い、講評をお願いした松田部会長からは、事実をしっかり把握したしっかりした説明ができているとの高い評価を得ることが出来ました。

また、受講生が「今回の研修を通じて『平和は長崎から始まる』と感じた」と感想を話してくれるなど、「被爆者の思い」を受け止めてもらえた研修となったと思います。

海外原爆展の開催趣旨は、「原爆に関する世界各国の方々の理解を深める」ということです。今回の研修を受けられた学生たちのガイドにより、スコットランドの多くの方々に、「被爆の実相」と「被爆者の思い」を理解していただくことを期待しています。

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