館長だより
映画『八月の声を運ぶ男』公開記念 伊藤明彦展
2026/08/28
みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。この八月、祈念館にとって嬉しいニュースがありました。祈念館に大変ゆかりの深い、長崎市出身のジャーナリスト・伊藤明彦さんをモデルとした映画『八月の声を運ぶ男』が、昨年のテレビドラマ化に続き映画化され、8月21日より全国で公開されています。
高度経済成長期の1972年、世間が豊かさを追い求める中で、伊藤さんはたった一人で日本全国の被爆者を訪ね歩き、その声を記録し始めました。
周囲に理解されずとも、「被爆者の声を後世に残す」という強い信念のもと、集められた音声は約1000件にものぼります。
祈念館では、伊藤さんからご寄贈いただいたこの貴重な音声テープを大切に保管し、デジタル化して館内で公開しています。映画の中で本木雅弘さんや阿部サダヲさんたちが紡ぐ物語の根底には、これら実在する「被爆者の声」があります。
この映画の公開により、多くの方々が、スクリーンで伊藤さんの情熱を感じられることを期待しています。そして、祈念館は、伊藤さんの仕事にかけた思いをより深く感じていただくために、映画の公開に合わせて企画展を開催しています。
今回の企画展では、実際に伊藤さんが集めた「被爆者の声」を聴くことができるほか、普段はご覧いただけない大変貴重な資料を特別に展示しています。
- 伊藤さんが実際に使用していた録音機:全国を巡り、1000人以上の声を吸い上げてきた重みのある機材です。
- 録音テープの箱書き:伊藤さんご本人が手書きで、誰の、どのような記録かを記した息遣いを感じる資料です。
映画『八月の声を運ぶ男』は、過去の物語ではなく、今を生きる私たちへ「被爆者の声をどう受け継ぐのか」を問いかける作品です。伊藤さんが残してくれた「八月の声」を、時代を超えて響く、あの日を体験した人々の肉声を、あなたの耳で、心で、受け止めてみてください。
みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
📌 映画『八月の声を運ぶ男』公開記念 伊藤明彦展 開催概要
- 期間:2026年9月17日(木)まで
- 会場:国立長崎原爆死没死没者追悼平和祈念館地下2階
情報コーナー1(交流ラウンジ横)


