館長だより
被爆体験記からの研究
2024/12/03
みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 野瀬です。
祈念館では、約12万件の被爆体験記を所蔵・公開していることから、ご遺族だけでなく様々な分野の研究者の方が閲覧を目的として来館されることがあり、個人情報の保護を前提としつつ協力いたしております。
先日も、北海道から「長崎原爆の日の天気」を研究されている方が来館されました。彼は、1945年8月9日の長崎の天気について、快晴であったとする「日本の気象資料」と、雲が多かったとする「米軍資料」
の矛盾を課題として研究されており、被爆体験記で記述されている「8月9日の原爆投下前の天気」について調査されていかれました。
また、別の研究者の方は「社会的被害(被爆者に対する差別・偏見・いじめ等)のジェンダー・ギャップ」を調べるために800件を超える被爆体験記を読み込まれたようです。
それらの調査から見えてきたことのお話を、それぞれお聞きしましたが
とても興味深い内容でした。
今後とも、これらのような研究に協力していくとともに、成果である研究論文をご寄贈いただくようお願いすることで、祈念館の所蔵資料の充実にもつなげていきたいと考えたところです。