館長だより

平和はあたり前ではない

2022/03/14

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

新型コロナ「まん延防止等重点措置」の適用地域から長崎県が解除されましたので、祈念館は3月7日(月)から再び開館しています。
祈念館を訪れる来館者も少しずつ増えており、嬉しい限りです。

さて、ロシアによるウクライナ侵攻の報道に触れるたびに、つらい気持ちになり、平和はあたり前ではない、とつくづく思います。
そして、この戦争の影響で、遠い日本に住む私たちの身の回りにも多くの影響がでており、私たちは世界とつながっていることを改めて実感します。

先日、被爆者の方が「シェルターで震えているウクライナの子どもたちを見ると、被爆当時の自分を思い出す。戦争はダメだ。」と怒っていました。
ある被爆者は「原爆で父母や兄弟も亡くし、自らも原爆症で苦しんだ。ウクライナに核兵器の雨が降らないことを祈る。」と声を震わせていました。
さらに、別の被爆者は「祈念館のピースネット(オンライン)を通じて、ウクライナの方々に被爆体験を話した。一日も早くウクライナに平和な日々が戻ってきて欲しい。」と強く語りました。

追悼平和祈念館の銘文に「原子爆弾による被害の実相を広く国の内外に伝え、永く後代まで語り継ぐとともに、歴史に学んで、核兵器のない恒久平和の世界を築くことを誓う」とあります。

被爆者をはじめ世界中の方々の平和への思いがウクライナの平和につながることを望みます。

2019年 ウクライナ コロステン市民へ体験講話をする被爆者

2019年 ウクライナ コロステン市民へ体験講話をする被爆者

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