館長だより
写真資料調査部会のありがたさ
2024/07/04
みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。
先週、アメリカから観光で訪日された方が、「戦後まもなく長崎で撮った写真であると亡祖父から聞いているので、写真を見て当時のことを教えてほしい」と1冊のアルバムを持って来館されました。
祈念館の被爆体験資料収集担当の職員は、主に文書による仕事をしているので、写真については、日ごろから頼りっぱなしの平和推進協会写真資料調査部会のみなさんに対応を依頼しました。
持参された100枚近くの写真を一枚一枚丁寧に見ていただきましたが、残念ながら長崎での写真はありませんでした。
しかし、長崎ではない写真についても、神社の鳥居や建物の看板、山の稜線などを手掛かりにグーグルアースやストリートビューなどを駆使して撮影された場所を探し、来館された方はとても満足されて帰っていかれました。
資料館や祈念館などの施設では、資料を収集し提供することが使命の一つですが、単に資料を保有するだけではなく、その資料の価値を読み取り、広く伝えていくことが重要です。
そういった力を持たれている写真資料調査部会のみなさんの存在のありがたさを実感するとともに、わたしたち祈念館職員もさらに専門性を高めていきたいと考える機会となりました。