館長だより
『祈念館へようこそ①』 二つの表情を持つ地上部の水盤
2025/12/24
みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。
原爆資料館はみなさんご存じと思いますが、祈念館をご存じない方は一定数いらっしゃると思います。
そこで、まだご来館されたことがないという皆さまへ、祈念館をご紹介するため、『祈念館へようこそ』シリーズを始めたいと思います。
本日は、その第1回目として、祈念館の入口となっている『地上部の水盤』を最初にご紹介します。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は、爆心地周辺の景観を建物で遮らないように、地下を活用しています。(わかりにくい場合は原爆資料館の駐車場入口を目当てにお進みください)
駐車場に隣接するガラス製の祈念館正面入口を入っていただくと、直径29メートルもある黒御影石製の大きな水盤を眼にされることとなります。
水盤は、被爆した多くの方々が水を求められたことから配置されています。
また、水盤の中には、高さ３メートルのガラスの光壁のスリット（切れ目）があり、爆心地の方向を指し示しています。
この水盤は、昼と夜で異なる表情を見せてくれます。昼間は、静かに湛えられた水面が空や周囲の緑を映しています。訪れる人々が水盤に沿って進んでいただくことで、心を落ち着けて追悼の準備をしていただく空間になることを意図しています。
また、夕刻になると、水盤の底に埋め込まれた約7万個の光ファイバーが点灯されます。この明かりは、原爆で亡くなられた人々の数(１９４５年１２月末までの推定死没者数)を表すと同時に、原爆によるすべての犠牲者にささげることを意図しています。
なお、閉館時間後もこの明かりを鑑賞することができるよう、地上部のみ一定時間開放しています。
当館へ足をお運びいただくきっかけとなることを願って、次回も祈念館についてご紹介したいと思います。皆様のご来館を心よりお待ちしております。
◇開館時間等
5/1～8/31(8/7～8/9を除く)
・開館時間 8：30～18:30
・地上部水盤点灯時間 18:30～20:00
(閉館後、水盤点灯中は地上部のみ開放しています。)
8/7～8/9
・開館時間 8：30～20:00
・地上部水盤点灯時間 18:30～20:00
9/1～4/30
・開館時間 8：30～17:30
・地上部水盤点灯時間 16:30～18:30
(閉館後、水盤点灯中は地上部のみ開放しています。)
◇休館日
年末(１２/２９～12/31)
◇入館料
無料
