館長だより
『祈念館へようこそ②』 あの日の記憶がここに 遺影・手記閲覧室
2026/01/19
みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。
『祈念館へようこそ』 の第2回では、地下2階にある遺影・手記閲覧室をご紹介します。
第1回でご説明したように、追悼祈念館は、爆心地周辺の景観を建物で遮らないように、地下を活用しており、主たる機能は地下1階・2階に配置されています。
館内への入口は、地上部にあり、あたかも水盤の水面にもぐるように設けられた階段があります。この階段を下りて入館していただきます。ご高齢の方や身体の不自由な方のために、階段入口の反対側にエレベータを設けています。
66段のやや長い階段を下りていただくと、「総合案内」があり、そのすぐ右手に遺影・手記閲覧室があります。
「遺影・手記閲覧室」は、原子爆弾により亡くなられた方々を追悼し、被爆の実相を後世に伝えるための場所です。そのため、原爆死没者の方々のお名前やご遺影(写真)、被爆体験記などの資料を館内で公開し、閲覧できるようにしています。
「遺影・手記閲覧室」には、厚生労働省によって収集された約10万件の手書きによる被爆体験記や、祈念館が独自に収集したもの、またこれまでに発行された書籍など合計すると約12万件もの被爆体験記を収蔵しており、自由に手に取って読むことができます。
※被爆50年にあたる平成7年度に厚生労働省が収集した体験記集は、表紙が黒いことから「黒本」と呼ばれています。
また、「遺影・手記閲覧室」には、収蔵資料や登録されたご遺影を検索や閲覧ができる6台のコンピュータ端末を設置しています。
この端末では、収蔵している被爆体験記(厚生労働省及び祈念館収集分に限る)や約2千人分の被爆者証言ビデオや証言音声記録を閲覧・視聴することができます。
祈念館には、被爆者の方やご遺族の方にたくさんご来館いただきます。私も、館内のご案内や被爆体験の検索のお手伝いなどをすることがありますが、ご遺影や手書きの被爆体験記は、ご遺族の方にとってとても大切なものであることを実感しています。
また、ご遺族の中には、これまで分からなかったご両親やご家族の被爆体験を見つける方がいて、とても喜んでいただくことがあります。
私自身も、「遺影・手記閲覧室」で、これまで聞いたことがなかった伯母や叔父の手書きの被爆体験記を読むことができました。家族や近親者が書いた被爆体験記から、あの原子雲の下で何があったのかを知ることは、自分自身のルーツとなるできごとを知ることであり、とても意義があることだと感じたところです。
「遺影・手記閲覧室」の隣にある「総合案内」でお声がけいただくと、被爆体験記やご遺影の検索等のご説明をさせていただきます。
特に、ご家族の被爆体験を知りたいという思いがある方は、一度ご来館してみていただくことをお勧めします。
【展示・公開内容】 (令和7年8月1日現在)
◎ご遺影の公開: ご遺族から提供され、公開の承諾を得た約1万件の原爆死没者のお名前と遺影写真が公開されています。
◎手記・体験記: 厚生労働省によって収集された10万件以上の手書きによる被爆体験記や、祈念館が独自に収集したもの、またこれまでに発行された書籍などを手に取って読むことができます。
◆厚生労働省収集分
104,377人分
◆長崎祈念館収集分
767人分
◆図書の体験記
12,959人分
◆被ばく医療関係図書
1,225冊
◎映像・音声資料: 展示情報端末機を利用して、被爆者の証言映像や音声資料を検索・視聴することも可能です。
◆氏名・遺影
10,780人
◆証言映像
836人
◆証言音声
1,021人
◆体験記朗読
180人
◎端末機による検索: ご遺影や手記・体験記も、お名前、被爆時の所属、被爆場所などから検索することが可能です。


