館長だより

『祈念館へようこそ③』  静謐の中で心を整える 回廊・追悼空間前室

2026/02/14

みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。
立春も過ぎ、春が近づいているなと感じることが多くなってきました。
ただ、同時に花粉症の季節でもあり、季節の変わり目でもあります。
どうぞご自愛ください。

さて、『祈念館へようこそ』 も第3回となりました。今回は、地下2階の「回廊」と「追悼空間前室」をご紹介します。

第2回でご紹介した「遺影・手記閲覧室」の前にも、静かに水が流れる水盤があります。この水盤の前からの通路が、「追悼空間」を周る「回廊」です。

「回廊」は、来館者の方が日常から祈りの場である「追悼空間」に向かうための大切な導入路と位置付けられています。「回廊」の壁は、自然で美しい杉板の木目を転写したコンクリートの打ち放しで、杉板の年輪とその積み重ねによって歴史の重みを感じていただくようデザインされています。

 

「回廊」を進んでいただくと、「追悼空間前室」と「追悼空間」の入口が現れます。

「追悼空間前室」は、「追悼空間」へ入る前に、来館者が心を落ち着けていただくための場所です。

「追悼空間前室」の壁には、大きな8面モニターが設置されており、登録していただいている1万人を超える原爆死没者のお名前・ご遺影を紹介しています。
また、ご遺影について検索できる端末が設置されており、タッチ式パネルで検索していただくと、お名前・ご遺影を、8面モニターのどのあたりで、何時ごろ見られるかを表示することができます。

私も、毎日のように、「追悼空間前室」に入りますが、あの日、一瞬にして命を奪われた方々、あるいは被爆し戦後亡くなられた方々である故人の在りし日のお写真や肖像画を拝見していると、胸に迫るものがあります。

このように、水音だけが聞こえる静謐な「回廊」と「追悼空間前室」を巡っていただくことが、原爆死没者名簿が奉安された「追悼空間」へ入っていただく前の大切なプロセスとなっています。

次回、第4回では「追悼空間」をご紹介したいと思います。

【8面モニターの公開内容】 (令和7年8月1日現在)
◎お名前・ご遺影の公開: ご遺族から提供され、公開の承諾を得た原爆死没者のお名前とご遺影が公開されています。
◆公開者数  10,780人 (うち「ご遺影あり」9,198人)

 

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