館長だより

原爆死没者名簿の風通し

2026/05/26

みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。

5月22日(金)に祈念館交流ラウンジで「原爆死没者名簿の風通し」が行われました。

「原爆死没者名簿」は、原爆によって犠牲になられた方々が生きていた証として、名簿に一人ひとりのお名前を書き綴り、毎年8月9日に挙行される平和祈念式典において奉安され、恒久平和が祈念されています。

また、「原爆死没者名簿」は、祈念館が開館した平成15年からは、祈念館の追悼空間に奉安されています。

今年の風通しでは、交流ラウンジの床を白い布で覆い、その上に、202,053人のお名前が記された206冊の原爆死没者名簿が、長崎市原爆被爆対策部の職員の手によって丁寧に並べられました。

そして、午前11時2分に黙とうを行った後、市職員の方々が、大切に頁をめくり、汚れがないか、破損がないか、1冊ずつ、真摯な眼差しで確認をしていました。

若い職員の方々が、白い手袋で丁寧に名簿をめくるその「真摯な眼差し」は、単なる名簿の点検という作業を超え、過去の痛みを未来へつなぐためのバトンを受け取る行為そのものだと、私には感じられました。

この行事は、8月9日の平和祈念式典に向けた平和行事の始まりです。同時に、被爆体験を継承し、記憶を風化させないための重要な儀式でもあると深く実感したところです。

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