館長だより

「人間(ひと)の痛みがわかる心を」――吉田勝二さんの願いと、次世代が描く未来

2026/08/09

みなさま、こんにちは。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館長の野瀬です。

今年の8月9日、長崎市から世界へ発信される「長崎平和宣言」。その中で、長崎の被爆語り部として生涯を捧げられた吉田勝二(よしだ・かつじ)さんの被爆体験と大事にされていた言葉が紹介されました。

「平和の原点は、人間(ひと)の痛みがわかる心を持つこと。」吉田さんがよく話されていたこの言葉が、私の心に強く残りました。

吉田さんは13歳の時、爆心地からわずか850mの場所で被爆し、顔や右腕に大やけどを負われました。戦後、その深い傷跡に対する偏見や葛藤に苦しみながらも、「自分のような人間を二度とつくってはならない」と、国内外で力強く平和を訴え続けられた方です。

祈念館では、この機会に「吉田勝二さんの被爆体験を語り継ぐコーナー展」を開催します。手記閲覧室で行うこのコーナー展では、吉田さんご自身の被爆体験記の展示に加え、長崎市立桜馬場中学校の生徒の皆さんが制作した絵本(紙芝居)を展示します。

桜馬場中学校の生徒たちは、2007年から当時の生徒会を中心に、吉田さんの壮絶な生涯と平和への願いを伝える活動を続けてきました。子どもたちの真っ直ぐな感性で描かれた絵本は、戦争の悲惨さだけでなく、絶望から立ち上がった吉田さんの「生きる強さ」を私たちに教えてくれます。

被爆から81年が経過しようとする今、次世代へのバトンがしっかりと渡されていることが実感できる作品です。

ぜひ、中学生たちの瑞々しい感性で制作した絵本で、吉田勝二さんの言葉に触れてみてください。

みなさまのご来館を、心よりお待ちしております。

 

📌 コーナー展 開催概要

  • 期間:2026年8月9日(日)〜 9月30日(水)
  • 会場:B2F 遺影・手記閲覧室
  • 展示内容:吉田勝二さんの被爆体験記、桜馬場中学校生徒制作の平和絵本
  • 観覧料:無料

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