館長だより
8月9日の「暑い夏」が終わりました
2022/08/18
皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。
今年も、8月9日に長崎市の平和祈念式典が挙行されました。式典の冒頭に、被爆者合唱団「ひまわり」による「もう二度と作らないで わたしたち被爆者を」の歌声が響いていました。被爆者の平均年齢が84歳を超えて、合唱団の団員が少なくなり、この合唱も今年が最後となります。
被爆者代表の「平和への誓い」も被爆者団体の持ち回りから、選考会方式となって、すっかり定着した感じです。今年の被爆者代表の宮田隆さん(82歳)は、「ウクライナに鳴り響く空襲警報はピカドンの恐怖」と自らの被爆体験と結び付けて、「核兵器のない世界の実現」を訴えました。
さて、今年の私は11時2分にホテル内で黙とうしました。窓から外を見ると、立ち止まって、黙とうしている市民の姿を確認しました。また、工事中の現場では、作業員の方が黙とうしていました。「最近は、黙とうする人が少なくなった。」と嘆く人がいますが、まだまだ、黙とうする市民は健在でした。
被爆者の中には、被爆体験記を残す意欲を持ちながら、高齢等のためにその執筆が困難な方がいます。祈念館では、そんな被爆者のために被爆体験の聞き取りと代筆にも取り組んでいますが、今年は多くの被爆者の方々から申し込みがありました。なかには家族にも話さなかった自らの被爆体験を初めて語る被爆者の方もいます。
祈念館では、被爆者や家族、友人、関係者などが記した長崎の原爆に関する手記や体験記を収集しています。そして、このような情報資料を公開することで、被爆の実相や平和への願いを伝えています。
皆様方のご来館を心からお待ちします。