館長だより

森田孝子さんの「書道展」が開催されました!

2022/11/07

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

祈念館の追悼空間に、原爆死没者名簿が奉安されています。名簿棚の高さは、9m、27段となっており、長崎市から名簿をお預かりして奉安しています。毎年、5月には、この名簿棚から名簿が取り出され、祈念館の交流ラウンジで名簿の「風通し」が行われます。

8月9日の平和祈念式典会場の前列に、この名簿が安置され、毎年、新しい名簿が追加奉安されます。令和4年8月9日現在192,310人で、広島被爆者分89人を加えて、合計192,399人(197冊)です。197冊の中には、瞬時に亡くなり氏名がわからない一家全滅などの人のために、白紙の名簿1冊も奉安されています。

長年にわたり原爆死没者名簿を筆耕されてきたのが、森田孝子さんです。

先日、森田孝子さんの「書道展」(10月22日~28日)が祈念館交流ラウンジで開催され、多くの方にご来館いただきました。

被爆者で語り部の早崎猪之助さん(91歳)も来館されて、自らの言葉の前で写真を撮らせていただきました。早崎さんは「私の言葉を立派な書にしていただき、感謝しています。」と感激されていました。会場には、被爆者の方々の言葉や福山雅治さん「クスノキ」(歌詞)、永井隆博士「長崎の鐘」(歌詞)、子どもたちの書の作品なども展示され、来館者の中には、書を見て涙を流される方も多く見かけました。

森田さんは「原爆死没者の方に寄り添い、1人ひとりお名前を大切な魂と思って書いています。」と語られます。そんな想いが込められた原爆死没者名簿を祈念館では大切に保管させていただいております。

祈念館では、このように多くの皆様方に祈念館に足を運んでいただく取り組みに努めています。皆様方のご来館を心からお待ちします。

   

 

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