館長だより

リチャーズ・ジャマイカ大使が訪問されました

2022/11/10

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

先日、駐日ジャマイカ大使館のショーナ-ケイ・リチャーズ大使が祈念館を訪問されました。同大使は、国連軍縮委員会副議長、武器貿易条約交渉ファシリテーターを歴任するなど国際安全保障・軍縮の分野で多くの経験を有し、核兵器禁止条約の採択に至る交渉プロセスにおいても中心的な役割を担った方で、2020年10月から駐日特命全権大使を務められています。

では、なぜ、中米のジャマイカが核兵器禁止条約の採択に中心的な役割を担ったのか、世界地図を見てもらえば一目瞭然です。ジャマイカはキューバのすぐ南に位置します。1962年、米国とソ連によるキューバ危機で核戦争寸前に達したことをきっかけに、核兵器の問題を身近に感じることになったそうです。

リチャーズ大使は、2005年、国連軍縮フェローシップ・プログラムに参加して、長崎原爆資料館を訪れています。その際に、被爆者の話を聞いて感銘を受け、被爆の悲惨さを実感されたそうです。今回の訪問は、実に17年ぶりの長崎市への訪問でした。

ジャマイカでは、女性の外交官も多く、外交官の実に60%近くが女性だと聞いて驚きました。その原動力は、社会の平等や正義を求める声であり、それが、ジェンダーや環境問題、核兵器廃絶の取り組みに繋がっているそうです。

リチャーズ大使は、「被爆者の方々の胸が張り裂けるような証言に深く心を揺さぶられました。彼らの苦悩と勇気に敬意を表する場所である追悼平和祈念館。彼らの願いである『二度と再び(核兵器が使用されない)』『長崎を最後の(被爆地に)』と言う言葉を受け止めたいと思います。」と芳名禄に記帳されました。

祈念館では、これからも被爆の実相を世界中に伝える取り組みを進めてまいりますので、よろしくご協力をお願いします。
国内外からのお客様のご来館を心からお待ちします。

  

 

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