館長だより

日蘭平和交流事業でオランダから来館です!

2022/12/08

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

11月27日(日)に日蘭平和交流事業(外務省主催)で、オランダ人の戦争犠牲者のイナ・シャーロッテ・エンシング・ブレスラウさん(82歳)とアニータ・ルイス・ミデルブルフ・ビーハーさん(81歳)の2人が祈念館を訪問されました。
祈念館研究室で、被爆者の語り部の築城昭平さん(95歳)は自らの被爆体験を英語で講話され、被爆前に動員先の造船所(香焼町)で福岡俘虜収容所第14分所のオランダ人捕虜とやり取りしたエピソードを伝えられました。

戦争中にオランダ領東インド(現インドネシア)の日本軍の強制収容所でそれぞれに生き延びてきた2人は、築城さんの講話を熱心に聞かれ、「香焼町のそのオランダ人捕虜は、私たちの知り合いの方に違いない。オランダに帰ったら伝えたい。」と話されました。

この「日蘭平和交流事業」は、第2次世界大戦時に日本軍に抑留されていた経験から、日本に対して特別な感情を持つオランダ人を招へいし、心の和解を促すもので、日本とオランダ間の相互理解の促進を図ることを目的として実施されています。

追悼空間前室では、収集している原爆死没者の氏名とご遺影の中にオランダ人8人が含まれることを説明。手記閲覧室では、オランダ人捕虜の被爆体験記2編とオランダ語版ビデオ(3人分)を視聴できることを紹介。最後に、オランダのオーフェルローン(2010年)とライデン(2020年)で開催した海外原爆展でのオランダ語版の被爆体験記(2編)をお渡ししましたら、2人は「この被爆体験記を読んでみたい!」と快く受け取っていただきました。

長崎の祈念館では、引き続き、被爆の実相を世界中へ伝える取り組みを進めてまいりますので、よろしくご協力をお願いします。
そして、世界中からのお客様のご来館を心からお待ちします。

  

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