館長だより

10年に一度の寒波到来

2023/01/27

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

令和5年(2023)1月24日(火)から全国的に「10年に一度の寒波到来」でした。長崎でも冷たい風と雪が舞い、25日(水)の朝から雪も積もっていましたが、低温のために昨日の雪が歩道上でもアイスバーン(路面凍結)となっており、歩くときにザクザクという音がします。

この日は早めに自宅を出て、松山陸上競技場や爆心地公園、長崎原爆資料館屋上など少し寄り道をしました。松山陸上競技場は、フィールド内も雪で真っ白で、朝から作った雪ダルマがポツンとおかれていました。

昭和56年(1981)2月26日、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ二世は、松山陸上競技場で猛吹雪のなかでミサを行いました。当時の私は、市役所の職員として警備に動員されて、寒い中、信者さんたちの熱気を感じたものです。

昭和20年(1945)8月9日、長崎の爆心地周辺は焼きつくされ、爆風に吹き飛ばされた瓦礫に混じって屍が道路の脇や川底などに累々と横たわっていたと聞きます。身元不明の遺体は市内のあちこちで火葬され、収集されない遺骨も多く残っていました。

当時の進駐軍が、現在の松山陸上競技場付近に、飛行場を造る計画を立てて、ローラーで整地したのですが、残された遺骨を踏みつぶす音が、生き残った被爆者にとって原爆による犠牲者の悲しい叫び声と聞こえたそうです。

朝、雪に覆われた松山陸上競技場に立って、42年前のローマ法王の雪のミサを思い出し、78年前の原爆の犠牲者に思いを馳せて、長崎の祈念館へ向かいました。

長崎の祈念館は、原子爆弾により亡くなられたすべての方々への追悼と永遠の平和を祈念する施設です。長崎の祈念館に来ていただき、平和への想いを感じてみませんか。

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