館長だより

今年は2月22日が「ピンクシャツデー」です

2023/02/21

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

「ピンクシャツデー」は、2007年、カナダの学生2人から始まった、いじめ反対の運動です。ピンクのシャツを着て登校した少年が「ホモセクシャルだ」といじめられ、これを聞いた学生2人がインターネットで「明日、一緒に学校でピンクのシャツを着よう!」と呼びかけたことで、世界中に広まりました。今年は、2月22日(水)が「ピンクシャツデー」で、世界180カ国以上でワールドアクションが行われます。

最近、長崎の祈念館では、毎週金曜日に男性職員が自然とピンクのワイシャツを着てくるようになったので、これも「ピンクシャツデー」と呼んでいます。特に大きな意味はないのですが、少しの気分転換になっています。

戦後、生き残った被爆者は、周りの大きな偏見から差別を受けてきました。「放射能がうつる」といって遠ざけられ、「ゲンバク」と罵られることもありました。昔、長崎から都会へ引っ越した被爆者が、近所に手土産を配ったら、翌日には、それが全てゴミとして捨てられたこともあったそうです。
女性の被爆者の中には、結婚することを諦めた方も多くいたと聞きます。また、被爆の事実を隠して都会で生活されていた人もいたそうです。

私も都会で生活していた際に、医療機関で「被爆2世です。」と伝えると「放射線に敏感でしょう?」と尋ねられたことがありました。昔々、「結婚相手が被爆2世か、調査できないか?」と聞かれたこともあります。

長崎の祈念館は、原子爆弾の被害の実相を広く国の内外に伝え、永く後代に語り継ぎますが、被爆者への差別の事実にも目を向けて、継承活動に取り組みたいと考えております。

祈念館の取り組みに、皆様方のご支援とご協力をお願いします。

 

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