館長だより

継承部会の市民対象碑めぐりに参加

2023/03/10

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

(公財)長崎平和推進協会の継承部会主催で、被爆者自らが企画して実施する「市民対象碑めぐり」が毎年2回開催されています。今年の3月5日(日)に、快晴の中で無事に開催され、私も参加しました。

今回の「市民対象碑めぐり」では、声をかけた数人の被爆者が健康不安を訴えられていました。被爆者の平均年齢が84歳を超えて、ご参加の中には90歳を超えた方もいました。被爆者が語れなく時代の到来を切実に感じました。

茂里町のハートセンターの会議室で、写真資料部会の松田斉部会長から「原爆前と原爆後のまちの変遷」の説明を聞いてスタートし、宝町公園の交番跡、福岡俘虜収容所第14分所跡、井上病院横の水路跡、聖徳寺へ進み、宝町公園の交番跡で、碑めぐりは解散となりました。

この間、松田斉部会長が主に説明するスタイルで、被爆者の方は、その場で補足する形で自らの体験を話されました。被爆者が高齢化する中で、被爆者から直接体験した話が聞けるのは、本当に貴重な経験でした。

初めて訪れた聖徳寺には、三菱製鋼所長崎製鋼所で殉職された従業員や養成工、動員学徒・教官など約1,400人の原爆殉難者の霊を慰めるための「原爆殉難者之碑」(昭和26年)が建立されていました。
継承部会の碑めぐり班長の八木道子さんは、被爆者の故内田伯さんの言葉「目から消えるものは、心からも消え去る」を引用して、慰霊碑めぐりの重要性を訴えていました。

原子爆弾による多くの死没者の犠牲を銘記し、恒久の平和を祈念するための施設として、長崎の祈念館は、原子爆弾による被害の実相を永く後代に語り継ぐために継承活動に取り組んでいます。

祈念館の取り組みに、皆様方のご支援とご協力をお願いします。

       

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