館長だより

韓国・陝川(ハプチョン)を訪問しました!

2023/04/03

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

先日、韓国・陝川(ハプチョン)を訪問しました。釜山市から高速バスで2時間あまり、タクシーで乗り継いで、小高い丘に陜川原爆被害者福祉会館と原爆資料館が建っていました。コロナウイルス感染防止のために福祉会館内は入れませんでしたが、ジャン・ソクド館長(韓国赤十字社職員)から状況を聞かせていただきました。

また、韓国原爆被害者協会陜川支部の沈鎭泰(シム・ジンテ)支部長は「陝川は、第2次世界大戦前には韓国の中でも貧しい人が住んでいて、多くの人たちが広島をはじめ大阪などへ渡って行った。戦後、広島や長崎から帰ってきた被爆者は、ハンセン病と同様の差別と偏見に苦しんだ。」と語り、「原爆被爆を受けたのは、日本人だけでなく多くの韓国人がいたことを知って欲しい。」と訴えます。
そして、「韓国でも原爆被害の苦しみを若い世代に伝えなければと思うが、被爆者も高齢化しているので難しい。」と嘆きます。

陝川には、広島被爆の方が多く、長崎被爆の方は少人数ですが、沈支部長によると「韓国政府の保健福祉部との協力で、陜川に平和公園を建設する計画を推進しており、今年度中に施設の設計に入り、その中には、新たな原爆資料館も建設が予定されている。」そうです。

今回は、長崎の祈念館で進めている被爆者証言ビデオの事前調査で訪問したのですが、高齢のために体調を崩して体験を話すことも難しい被爆者が多く、幼少時の時に被爆した数名と面談しました。

長崎の祈念館では、このように日本人だけでなく、韓国人をはじめ外国人の方の被爆証言ビデオを後代に残す取り組みを進めています。

祈念館の取り組みに、皆様方のご支援とご協力をお願いします。

   

当サイトの写真・文章の無断転用はできません。
Copying photos and sentences without permission is prohibited.

Copyright © 2009-2024 Nagasaki National Peace Memorial Hall for the Atomic Bomb Victims. All Rights Reserved.