館長だより

 韓国原爆被害者協会の皆さんが来館です

2023/06/02

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

5月21日(日)は、早朝からNHKニュースで、韓国の尹錫悦大統領夫妻と日本の岸田文雄首相夫妻が一緒に広島の韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花をされている姿を見ました。NHKの報道では「歴史的な瞬間」と伝えていましたが、確かに数年前では考えられなかった光景でした。

この日に、韓国原爆被害者協会の皆様が祈念館を来館されました。鄭源述会長をはじめ釜山支部長、慶南支部長、大慶支部長、陜川支部長、ソウル支部長など総勢14人で、原爆資料館前の韓国人原爆犠牲者慰霊碑で祈りをささげて、原爆資料館を見学し、祈念館に来館されました。
韓国原爆被害者協会の鄭会長は「韓日両首脳が韓国人原爆慰霊碑で献花したことは評価できるが、原爆に対する若者の意識が低い状況を危惧する」「核戦争をなくすために被爆者のことを記録していく努力は日本も韓国も同様に大切」と被爆の実相を次世代に伝える重要性を訴えられていました。

長崎の祈念館は、コロナ禍で中断していた韓国での被爆映像の収録を6月に再開することになりました。韓国でも被爆者の高齢化が進んでおり、「被爆体験を語れる被爆者が少なくなっている」のも事実です。
韓国の被爆者の話を聞いても、焦りに近い感情をヒシヒシと感じます。

今回は、少しの時間の面談となりましたが、韓国原爆被害者協会の皆様は、親しみやすく、話が好きな方が多く、次は長く時間を取って多くの被爆体験を聞きたいと願っています。

このように長崎の祈念館では、韓国をはじめ世界中の人に、被爆の実相を残し、伝える取り組みを行っています。
今後とも祈念館の活動にご理解とご協力をお願いします。

当サイトの写真・文章の無断転用はできません。
Copying photos and sentences without permission is prohibited.

Copyright © 2009-2024 Nagasaki National Peace Memorial Hall for the Atomic Bomb Victims. All Rights Reserved.