館長だより

淵中学校が黒本勉強会を実施しました

2023/06/26

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

6月19日(月)に、長崎市立淵中学校が祈念館交流ラウンジで黒本勉強会を実施しました。淵中1年生137人が3班に分かれて、朗読ボランティア「永遠の会」の説明などを受けながら、黒本を黙々と読み進めました。

背中に白字で「Peace Starts at FUCHI」(平和は淵から始まる)と書かれた黒いTシャツを生徒全員が着用していました。淵中の生徒会が作ったそうです。爆心地近くの被爆校として、本田勝一郎校長をはじめ淵中学校の平和への熱い思いが伝わります。

被爆当時の淵国民学校は、爆心地から1.2キロ、多くの校舎が倒壊しています。生徒も高等科ばかりだったので、ほとんど動員学徒として出勤していました。「動員学校死没者名簿」によると、同校の死亡者は、教官4人、生徒133人、計137人となっています。

黒本勉強会では、黒本を1冊ずつ読みながら印象に残った被爆者の言葉を自分のノートに写していきます。「被爆者の証言の中に、生きた人間の姿」を少しでも感じていただければと思っています。

ノンフィクション作家の保阪正康さんは「体験は残さないと消えて無かったことになる」と言って、「歴史を継承する」ことの大切さと「人間に興味を持つ」ことの重要性を訴えます。

また、黒本の被爆体験記の中に、生徒の祖父母の体験を見つけることもあります。「歴史は地続き」という言葉を改めて感じるとともに、語り継ぐことの大切さを痛感します。

長崎の祈念館では、被爆の実相を次世代に伝える取り組みを行っております。祈念館の取り組みにご理解とご協力をお願いします。

当サイトの写真・文章の無断転用はできません。
Copying photos and sentences without permission is prohibited.

Copyright © 2009-2024 Nagasaki National Peace Memorial Hall for the Atomic Bomb Victims. All Rights Reserved.