館長だより

森田孝子さんの平和の書道展

2023/11/21

皆さま、こんにちは。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

11月3日~7日、書道家の森田孝子さんの書道展が祈念館の交流ラウンジで開催されました。期間中、多くの来館者に熱心に声をかけていた森田さんの姿を良く見かけました。受付名簿に記載された方には、後ほどお礼状を送る予定と聞きます。

森田さんに「今回の書で一番好きなのはどれですか?」と聞いたら「伝えよう命の大切さを」と教えてくれました。森田さんの写真も大好きなこの書の前で撮りました。

森田孝子さんは、被爆2世の書道家で、20年以上にわたって原爆死没者名簿の筆耕を続けています。森田さんは毎年一人ひとりの原爆死没者に想いを馳せて筆耕されています。現在199冊の原爆死没者名簿は祈念館の追悼空間に奉安されています。

今回の書道展の作品を見ても、被爆者の切実な叫びや想いが綴られています。森田さんは「この書を見て泣かれる来館者がいます。」と1つの作品を紹介されましたが、実は私もその1人でした。

被爆者の平均年齢が85歳を超えて、今では被爆者と接する機会も少なくなっています。被爆者の想いを次世代に伝える手法として、書道の可能性に期待を感じました。

書道展では、書道教室に通う生徒たちの平和をテーマとした作品も展示され、お嬢様とお孫さんも書道展の受付を手伝っていました。お嬢様から「今回、母(森田さん)の姿を見て再び書道を習いたい。」と聞いた時、「若い世代へバトンは繋がった!」と思いました。

長崎の祈念館では、被爆の実相を伝えるさまざまな取り組みを行っています。祈念館の事業にご理解とご協力をお願いします。

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