館長だより
日本原子力研究開発機構の祈念館視察
2023/12/12
皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。
12月2日(土)は、日本原子力研究開発機構主催・核不拡散研修(第2班)の研修生が来館されました。
今回の研修生は、原子力施設の核不拡散(保障措置)業務に従事する政府機関及び原子力施設の若手の方々で、インド、ベトナム、カンボジア、インドネシア、サウジアラビア、イランなど多くの国から来日されていました。
祈念館の案内では、原爆で生き残った被爆者の長年にわたる放射線による後障害とその苦しみ、被爆者が周りから様々な差別を受けてきたことを伝えました。その際、研修者には熱心に耳を傾けていただきました。
先日開催された「チャレンジふくしまフォーラムin長崎」で、「原子力災害の風評払拭や震災記憶の風化防止、福島の魅力と復興の課題」について学んだことを話すと、研修者の目も輝いていました。
研修者の方には、「原爆死没者の人数をただ単に数字と捉えるのでなく、原子雲の下に多くの人が普通に暮らしていたことを忘れないで欲しい。」と訴えました。
最後に、イランからの研修生から「一緒に写真を!」と言われ、同時に「世界はひとつ、人類はみな兄弟」という言葉が頭に浮かびました。今回の研修生が母国に帰ってからも被爆地長崎のことを忘れないで欲しいと願うばかりです。
これからも、長崎の祈念館では世界の人へ被爆の実相を伝える取り組みを行っていきます。祈念館の事業にご理解とご協力をお願いします。