館長だより

ジョージアでの海外原爆展開会式に出席

2023/12/27

皆さま、こんにちは。
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の館長 高比良です。

12月15日(金)にジョージア(旧グルジア)のトビリシのイリア国立大学での海外原爆展開会式に出席しました。開会式では、ジョージア人と日本人の混声合唱団による「長崎の鐘」が歌われて、素晴らしい歌声に感動的でした。この合唱団を指揮していたのが、元劇団四季の今井さんです。

今回の原爆展は、1月30日(火)まで開催中で、ジョージアのマスコミにも取り上げられており、多くの来場者を期待しております。
ジョージアでの海外原爆展は、JICAジョージア支所の森所長やイリア国立大学ジャパンセンター長のジャバ准教授のご支援とご協力で実現に至りました。

ジョージアは、人口約370万人で、北にロシア、南にアルメニアとアゼルバイジャンに接し、国土の20%が今もロシアに占領されています。ロシアによるウクライナ侵攻以降、黒海を挟んでウクライナでの核戦争の危機を、多くのジョージア市民が憂慮しています。

ジョージアは、シルクロードの時代から東洋と西洋を結ぶ要衝として発展してきましたが、歴史上でペルシャ、オスマントルコ、モンゴル、ロシアなど周辺の大国に侵略されてきました。このためジョージアでの住居は、侵攻を受けやすい平地でなく、丘の上か坂に建てられることが多いそうです。

ジョージアのトリビシを流れるクラ川には、「平和橋」(人道橋)があります。昔々、トルコとペルシャが戦争して、川のそばで多くの人が虐殺されたそうです。「もうこんな事が二度と起こらないように」と願いを込めて新しく作られたのが「平和の橋」と言われています。日本とジョージアは歴史と文化は違いますが、平和を願う気持ちは同じです。

祈念館は、被爆の実相を世界へ伝えるために、海外原爆展の取り組みを進めています。祈念館の取り組みにご理解をお願いします!

イリヤ大学の正面

トリビシの平和橋

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